MENU
タイのビジネスニュースならバンコク週報

「肝炎」と一口にいってもその感染経路はさまざま。いずれにしても「ナマモノ」は避けた方が無難です。

ウイルス性肝炎にはA型、B型、C型、D型、E型の5タイプがあります。ここではタイで感染例の多いA型、B型、E型を説明します。

A型肝炎

A型肝炎ウイルスに汚染されたカニ、ムール貝・アサリ・カキなど貝類、野菜などを食べたり、汚染された水を飲むことで感染します(経口感染)。ウイルスは動物の糞便にいますので、肥料に糞便を使用した野菜は特に注意が必要です。といってもどれがその野菜か分かりませんので、生野菜は丁寧に洗ってから食べるようにしてください。屋台の生野菜はかなり危険です

30日程度の潜伏期間の後、高熱、激しい疲労感、吐き気、食欲不振、黄疸、大便が白くなる、尿が濃い紅茶色になる、などの症状が現れます。また、肝臓が腫れ、肝臓障害が起こることもあり、この場合は症状が特に深刻となります。

特効薬はありません。1、2カ月安静にするしかありません。

大人が感染した場合は、2、3週間、非常に苦しむことになります。症状が最も重い時期はベッドから起き上がることすら難しくなります。ただ、死亡率は0.5%以下です。

ただ、子どもの場合は風邪を引いた程度の症状しか現れず、肝炎に感染していることに気付かないケースもあるようです。

最高の予防方法は生モノを避け、火の通ったモノを食べることです。タイでは時々、地域単位で流行します。その都度、このサイトで紹介しますので、参考にしてください。

とはいうものの、貝と野菜はナマほど美味しいというのも事実です。そのため、生モノを絶対に食べないというのは難しいかもしれません。そこで、有効なのが予防ワクチンの接種です。ワクチンの接種回数は全3回(初回、1カ月後、6カ月後)です。ただ、このワクチンはかなり痛く、その日1日つぶれると思った方がいいかもしれません。私の場合には発熱もありました。

なお、A型肝炎は一度感染すれば免疫ができるため、2度と感染しません。そして、慢性化することもありません。

E型肝炎

E型肝炎の感染ルートはA型肝炎と同じです。慢性化することはなく、1回罹れば終生免疫を持つ点はA型と同じですが、違うのは死亡率が2%と高いことです。

特に妊婦が羅患すると重症化する可能性が高く、妊娠後期で罹患した場合は死亡率は20%と跳ね上がります。妊婦にとっては最も警戒すべき病気にひとつです

タイではE型肝炎で入院する日本人が少なくありません。治療は対症療法のみで、予防ワクチンはまだありません。

B型肝炎

性交、注射、いれずみ、針治療などにより感染します。1カ月から6カ月の潜伏期間の後、全身倦怠感、食欲不振、発熱、黄疸などの症状がでてきます。

治療を怠りますと、肝硬変、肝臓癌へと移行しますので、要注意です。予防法はコンドーム着用の徹底、かみそり・歯ブラシの共用を避けることです。つまり、HIV感染防止と同じです。

また、予防ワクチン接種は非常に有効で、接種回数は全3回です(初回、1カ月後、6カ月後)。ただ、痛さはA型肝炎で紹介した通りです。

出産時に子どもが母親から感染し、慢性化することも多く、この場合、子どもは将来、肝硬変や肝臓ガンになる可能性が高まります。日本では母親から子どもへの感染を防ぐため、出産時にワクチンを投与するのですが、タイではこれが徹底していないため、タイ人の9%が慢性B型肝炎のキャリアといわれています。恋人ができた時には関係を持つ前にまず検査をした方がいいかもしれません。

なお、大人になってから感染した場合には、慢性化することはなく、99%治癒します。ただ、1%は劇症化して死に至るケースがあるため、早期治療が大切になります。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次