在タイ外国人の課税を強化か タイ政府が全世界所得課税モデル採用検討

タイで働く外国人に対する課税ルールがより厳しくなりそうです。2024年1月からタイ居住者の国外所得が課税対象となったほか、税務上の注意点が増しています。2024年8月時点で、タイには330万人以上の外国人労働者が登録されており、税務当局は個人所得税納付を厳しく注視する方針です。

目次

個人所得税の規則と留意点

税務居住者と非居住者の区分

  • 税務居住者:暦年で180日以上滞在すると居住者と見なされ、タイ国内外すべての所得に課税されます。
  • 非居住者:タイ国内源泉の所得のみ課税対象となります。

個人所得税率(2025年版)

タイは累進課税制度を採用しており、所得額に応じて税率が上昇します。

純所得(年)税率
0〜15万バーツ免税(報告義務あり)
15万1〜30万バーツ5%
30万1〜50万バーツ10%
50万1〜75万バーツ15%
75万1〜100万バーツ20%
100万1〜200万バーツ25%
200万1〜500万バーツ30%
500万バーツ超35%

利用できる控除制度

外国人もタイ国民と同様に控除を受けることができます。

  • 本人控除:6万バーツ
  • 配偶者控除:最大6万バーツ
  • 子供控除:1人当たり3万バーツ(3人まで)
  • 保険料や年金基金などの投資控除も適用可能

確定申告は翌年3月31日までに PND90または91 様式で提出する必要があります。

二重課税防止条約と税務リスク

タイは60カ国以上と二重課税防止条約(DTA)を締結しています。ただし年金やキャピタルゲインの扱いは国ごとに異なり、場合によっては二重課税となる可能性があります。実務上は税理士など専門家の助言が推奨されます。

税以外の外国人負担

外国人労働者は税だけでなく、以下のような追加コストも負担する必要があります。

  • ノンイミグラントBビザ:2000〜5000バーツ
  • 就労許可証:3カ月で750バーツから
  • 社会保障拠出:給与の5%(月上限750バーツ)

また、事業を営む場合は、年収入が180万バーツを超えると 付加価値税(VAT)登録義務 があります。金融サービスや不動産賃貸などは特別事業税が課される場合もあります。

国外所得課税の大きな変更点

2024年1月以降、国外所得をタイに持ち込んだ場合には、取得した年にかかわらず課税対象となります。これは従来の「所得が発生した年に送金した場合のみ課税」というルールからの大きな変更となります。

歳入局は今後さらに制度を拡張し、タイが完全な 全世界所得課税モデル を採用する可能性も示しています。日本を含む外国企業の駐在員や個人投資家にとっては、税務コンプライアンスの負担が一段と重くなる可能性があります。

国際会計事務所関係者は「居住日数の管理や国外収入の持ち込み方が税負担を左右する」と警鐘を鳴らしており、最新情報の把握が不可欠です。

ここに注意!

居住日数をタイ当局に示す最も簡単な方法はパスポートに押された出国スタンプと入国スタンプを提出することです。ただ、タイの国際空港では現在、外国人も自動化ゲートを利用することができるようになり、出国スタンプのないケースが増えています。ただ、タイで長期勤務している場合、もしくは近くその予定がある場合は出国スタンプを押してもらうようにしてください

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