タイ投資委員会が外国人幹部の給与要件見直し 管理職は月収15万バーツ以上

タイ政府は海外からの直接投資(FDI)の誘致を推進する一方で、名義貸しや実態のない雇用への監視を強めており、その一環として外国企業に対する運営ルールを随時見直しています。最近の変更では、タイ投資委員会(BOI)が製造業の投資奨励プロジェクトを対象に、タイ人・外国人の従業員比率および外国人幹部の給与水準に関する新たな規定を発表しました。

タイ人従業員の比率規定を導入

今回の見直しにより、タイ人および外国人従業員を合計100人以上雇用する企業に対して、タイ人を少なくとも70人以上雇用することが義務付けられます。

なお、「タイ人従業員」とは社会保険に加入している正規雇用者を指し、パートタイムやアルバイトは含まれません。また、従業員数が100人未満の企業には、この比率規定は適用されません。

ただし、奨励対象のプロジェクトがタイにとって重要な分野に該当し、特別な理由でタイ人の雇用割合を満たせない場合には、BOIが個別に判断することになります。

外国人幹部の給与・採用基準を明確化

外国人幹部に関する採用条件も新たに規定されました。以下は、外国人が従事する可能性が高い職位に関する主な要件です。

【EXECUTIVE職】
対象例:CHAIRMAN、PRESIDENT、CEO、CFO、COO、CTO、VICE CHAIRMAN、VICE PRESIDENT、EXECUTIVE DIRECTOR、MANAGING DIRECTOR、GENERAL MANAGERなど

  • 申請日時点で満27歳以上
  • 職務経験5年以上
  • 平均月収15万バーツ以上
    ※ただし、CHAIRMAN、PRESIDENT、CEO、MANAGING DIRECTOR職は年齢・経験要件の対象外です。

【MANAGEMENT職】
対象例:PRODUCTION MANAGER、FACTORY MANAGER、MARKETING ADVISOR、ASSISTANT MANAGING DIRECTORなど

  • 申請日時点で満27歳以上
  • 担当職務に関連する実務経験5年以上
  • 平均月収7万5000バーツ以上
    ※学士以上の学歴を有する場合は月収5万バーツ以上で可。

【OPERATION職】
対象例:DATA ANALYST、IT SPECIALIST、SOFTWARE ENGINEER、ACCOUNT、SALES EXECUTIVEなど

  • 申請日時点で満22歳以上
  • 関連分野の学位と実務経験2年以上(または学位不一致の場合は実務経験5年以上
  • 平均月収5万バーツ以上

適用時期について

今回の変更は、2025年6月5日付でBOIが告示した内容に基づくものです。

  • 2025年6月5日以降に奨励証が発行されたプロジェクトは、2025年10月1日から新規定が適用されます。
  • 一方で、告示日前に奨励証が発行されたプロジェクトについては、2026年1月1日から適用されます。

今回の措置は、外国人の不適切な就労を抑制しつつ、適正な投資促進と高度人材の受け入れを両立させる狙いがあると見られます。今後、BOIへの投資申請を検討する外国企業にとっては、雇用計画や人件費戦略の見直しが求められるでしょう。

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