タイ入国管理局(イミグレーション)は11月12日、フリービザ制度(指定国を対象にビザ取得を免除する制度)を悪用してタイ出入国を繰り返す「ビザラン」に対する取り締まりを大幅に強化するタイ全土にイミグレーション係官に指示しました。これはタイ政府の掲げる「サイバー犯罪撲滅」政策に呼応するもので、観光客を装って出入国を繰り返し、サイバー犯罪や資金洗浄などに関わる外国人の流入を抑えることが狙いです。入国管理局によれば、主要措置は以下の4項目となります。
フリービザ制度を利用したビザランを厳格に審査
フリービザ制度を利用して90日滞在(日本の場合はノービザ滞在60日+タイ国内延長30日)を繰り返しながら、母国に戻らず頻繁に出入国するケースを問題視。こうした行動は通常の観光客としては不自然であり、犯罪目的の潜伏や活動、不法就労の可能性が高いとイミグレーションでは判断。このため、空港や国境のすべての入国審査場では、合理的な理由なく2回以上のビザランを行っている外国人の入国を拒否する方針です。イミグレーションでは目的に合った適切なビザを申請・取得するよう呼び掛けています。なお、今年初めからビザランを理由に空港で入国拒否となった外国人はすでに約2900人に上っています。
フリービザ制度を利用したビザランを厳格に審査
タイ西部ターク県メーソート郡など周辺国との国境地帯では詐欺組織が拠点を置いており、監視リストに登録された外国人の動きが問題となっています。イミグレーションでは、こうした人物が再びタイに入国する必要性はないと判断し、例外なく入国を拒否します。
また、過去にタイ(メーソート)・ミャンマー(ミャワディ)国境を通じて送還され、システムに記録されている外国人が再入国を試みた場合も同様に拒否されます。
タイ国内での滞在延長申請に対する審査を強化
各県のイミグレーションに対し、ビザランを繰り返している外国人が「一時滞在延長」を申請した場合、ビザランの履歴が認められた場合は延長を認めないよう指示が出されました。最悪の場合、ビザ取り消し+国外退去処分となります。
オーバーステイ外国人の一斉取り締まりを実施
全国のイミグレーションに対し、滞在期限超過(オーバーステイ)外国人の摘発を強化し、明確な成果を上げるよう指示が出されました。この取り締まり結果は後日公表するとしています。
イミグレーションでは今回の強化措置について、外国人のパスポート審査に多少の遅れが出る可能性を認めていますが、空港では全レーンに職員を配置するなどして、1人あたりの審査時間は最大45秒、待ち時間は40分以内に収めると説明しています。
なお、タイ政府は「観光業への影響はなく、むしろ質の高い外国人観光客を受け入れることで、観光収入の安定につながる」と述べており、今回の対応はかなり厳しいものになりそうです。

