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バンコク都庁では年1回のエックス線検査を推奨しています。結核は決して「過去の病気」ではありません。

バンコク都庁は世界結核デーの2018年3月24日、肺結核対策としてバンコク都民に対して、年に1度、胸部エックス線検査を受けるよう呼びかけました。

世界保健機関(WHO)はタイを結核対策を推進すべき国に指定しています。タウィサク副都知事によりますと、昨年バンコクで報告された結核患者は合計1万1789人。そのうち79・54%が完治していますが、それでもWHOの設定している完治率85%を下回っています。

人気ドラマ「仁」では肺結核(ろうがい)に苦しむ緒方洪庵が未来から来た医師・宗方仁に、「未来はこの病気は治すことができるのですか」と聞くシーンがあります。当時は「不治の病」とされた病気ですが、それから150年以上が経過した今では、治療薬や予防接種(BCGワクチン)により死亡率は大きく減少。平成28年の結核による死者は1889人となり、人口10万人当たりの死亡率は1.5と前年をわずかに下回りました。

ただ、死因順位は、29位から28位へとひとつ順位を上げています。新たに結核患者として登録された者の数も1万7625人に達しています。それでも、日本ではともすれば「過去の病気」とイメージもあり、予防意識が低下していることは否めません。

タイに滞在する場合、タイを旅行する場合は、感染の可能性が日本より高いということを頭の片隅に置いておいた方がいいかもしれません。

結核とは

結核菌が引き起こす疾病です。なかでも、特に多いのが肺結核です。初期の症状はカゼと似ていますが、せき、痰、微熱などの症状が2週間以上続くのが特徴です。そのほかには、体重が減る、食欲がなくなる、寝汗をかく、などの症状もあります。

さらに悪化すると、息切れ、血の混じった痰などの症状が出ることになり、その後、血を吐いたり、呼吸困難に陥ったりして、最悪死亡することもあります。

結核菌は空気感染をしますが、結核菌が体内に入ったとしても、必ず感染するわけではありません。多くの場合、抵抗力により体外に排出されます。

そして、感染したとしても、免疫によって封じ込められたまま発病しないこともあります。ただ、免疫力が弱まったことなどが原因となり、結核菌が活動を始め発病するケースもありますので、高齢者、過労の続く人、持病を抱えている人などは注意が必要です。

検査方法としては、ツベルクリン反応検査、インターフェロンガンマ遊離試験(IGRA) 、エックス線撮影検査などがあります。治療は、3~4種類の薬剤を半年ほど服用します。

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