15年ほど前、タイ人ツアーにタイから同行した際、東京・池袋のホテルに宿泊したのですが、チェックイン時、ホテルの若いあんちゃんが「そんなにあわてるなよ。今(キー)を配るから」と日本語で罵声。これには東急観光のツアー責任者(当時)が激怒しましたが、ホテル側からはタイ人に対する謝罪はなし。その後、訪れた京都では土産物屋で「安くなりますか」とタイ人が覚えたての日本語で話かけたところ、アホな店主が「そんなこという客はいらない。向うに行け」。今度は、私が怒鳴り散らすことになりましたが、旅行中、ツアー参加のタイ人を心から歓迎しようとしていたのは東急観光のスタッフだけだったような気がします。
あれから15年。13年7月、タイ人に対して15日までの短期観光ビザを免除したことで日本を訪れるタイ人が急増。年間の訪問者は100万人を超える勢いです。タイを訪れる日本人も16年約140万人となり、まさに相互交流といえるレベルにまで成長しました。
今では多くの県がタイ人観光客誘致に熱心ですが、それでも自治体によって対応はまちまりです。タイ人観光客を誘致するためには映画やテレビ番組で紹介してもらうのが効果的なことから、ロケ隊誘致に力を入れている自治体は多いのですが、受入れ側のスタンスは自治体によって異なります。「タイ人に来ていただく」と“おもてなし”の精神をもって受け入れようとする自治体もあれば、「撮影場所を貸してあげる」と上から目線の自治体もあります。前者は北九州市、佐賀県、和歌山県などなど、後者は具体名は控えますが、年長者が幅を利かせているところはやはり対応もずれているようです。
時は流れても、頭の中が昔のままの老害は政治の世界だけではないようです。