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「マイペンライ」「インシャラー」「ノープロブレム」 ー 旅行者を悩ます三大セリフと言われていましたが…

タイ人の気質を表すとされることの多いタイ語「マイペンライ」。ただ、タイ人の識者に言わせると、その本当の意味を理解している外国人は少ないそうです。

タイをテーマとするコラムや書籍で時々お目にかかるのが「マイペンライ」というタイ語の説明です。英語でノープロブレム(NO PROBLEM)と訳されるためか、日本語でも「気にしない」「問題ない」と訳されることが多いようです。このため、責任の所在をいい加減にしているタイ人の性格を表しているとか、失敗の原因をきちんと分析しようとしないタイ人のいい加減さを表しているなどの解説がつくことが少なくありません。

海外を長期で旅をしたことのある人でしたら、マイペンライに似た言葉で苦しめられた経験があることと思います。まず、アラブ世界の「インシャラー」。すべては神の思し召しのまま、と訳すのでしょうか。約束をした時、お願いごとをした時など、最後につくのがこの言葉。私は数十年前、トルコに滞在中、「本当に約束守ってくれるの?」と終始不安感を抱えていました。

そして、インドの「ノープロブレム」。「インド人がノープロブレムという時に問題のなかったためしがない」というのはインドで長期旅行をした人であれば分っていただけると思います。

ただ、タイのマイペンライをインシャラーやノープロブレムと同じ土俵でとらえるのはどうかと思います。そう気付かせてくれたのが、タイ国内で開催されたビジネスセミナーでした。タイ人講師いわく、「日本人はマイペンライの本当の意味を理解していないようです。マイペンライはマイペンライ・チャイマイ・クラップ(カ)の意味で使われることが多いのです」。チャイマイ・クラップ(カ)というのは「~ではないですか」「~ですよね」という意味ですので、タイ人がマイペンライ(問題ない)という場合は「問題はないですよね」と確認しているというのです。

そして、この背景には相手の寛容さを試すという意味合いもあるようです。タイでは寛容であることが尊敬されるひとつの要素となっています。他人の過ちを許せること。これが人間としての器の大きさを示すことにもなるようです。そのため、少なくとも、マイペンライというタイ人に対して、「何がマイペンライだ」と面と向かって怒ることはだけはしない方がよさそうです。

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