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「禁煙先進国タイ 禁煙後進国日本」。日本はタイに学んでください。

たばこの先端から立ち上がる煙(副流煙)には、喫煙者が吸い込む煙よりも多くの有害物質が含まれています。そのため、非喫煙者がこの副流煙を吸い込んでしまう「受動喫煙」による健康被害を減らすため禁煙エリアを拡大する論議が日本でされてきましたが、「健康よりマネー」が大切な自民党たばこ族議員の横やりにより、当初喫煙が可能なのは30平方メートル以下の飲食店となるはずが、結局、150平方メートル以下の飲食店と大きく後退する可能性が高まっています。

そうすると、例えば東京では個人経営の飲食店の大半で喫煙が可能となってしまいます。喫煙者が健康を損なうのはどうでもいいとして、可哀そうなのは、そのような店でしか働くことのできない弱い立場の人間が、吸いたくもない「毒煙」を吸い、健康を害していくことです。自民党の大西英男衆院議員からは「(がん患者は)働かなくていい」という鬼のような失言が飛び出しましたが、健康に問題のある人は健康に悪い職場を選ばざるを得ず、また、医療費をねん出できずどんどん悪化していくのが現実です。

一方、タイはといえば、屋内の飲食店・居酒屋・パブ・ナイトクラブなどすべて禁煙こっそり喫煙を許している居酒屋、焼肉レストラン、バーなどもありますが、これらはすべて違法です。違法喫煙の罰金は最大で5000バーツ。バンコクの最低賃金は日額310バーツ(930円)、東京は8時間労働として7664円。約8倍の収入差があることを考えれば、実に12万円に相当する金額を科していることになります。

世界保健機関(WHO)によれば、飲食店、ナイトクラブなど屋内喫煙を全面禁止とした国は約50カ国。日本は「世界最低レベル」との評価を受けています。

日本では喫煙規制による飲食店の売り上げ減少も建前としては懸念されていますが、これまでのWHOの調査ではそのような事実はほとんどなく、逆に非喫煙者が禁煙店を好んで選ぶため、売上が伸びるケールも少なくないとか。タイでも屋内の飲食店・居酒屋・パブ・ナイトクラブなどすべて禁煙ですが、売り上げが大きく落ちたという話は耳にしません

国際オリンピック委員会とWHOは「たばこのない五輪」を提唱しており、あの中国ですら開催国となった時は室内での禁煙を法制化しています。国際的な潮流に逆行する日本の喫煙政策。たばこ族議員はタイに来て勉強してください。

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