法人所得税

損金を控除した課税所得の20%が法人所得税となります。申告・納税の期限ですが、上半期末から2カ月以内に年間見積所得に基づき納税者側が計算して申告・納税する「中間申告」、および、決算日から150日以内に行う「確定申告」の2つがあります。中間申告は会社側が見積もることになりますが、半期申告で見積額が実際の年間所得の75%を下回った場合、差額に対して20%の追加税(Surcharge)が課されます。これは利息ではなく、調整ペナルティです。

目次

タイの法人所得税制度

項目内容
課税対象タイ国内に法人登記されたすべての会社(外資含む)。外国法人でタイに恒久的事業所(PE)がある会社
課税年度会計期間(原則12か月)に基づく決算年度制
課税方法総収入から損金(経費)を控除した課税所得に対して課税
管轄官庁タイ歳入局(Revenue Department)

法人所得税の税率(2025年時点)

法人の種類または条件税率備考
一般株式会社(非BOI)20%基本税率
中小企業(SMEs)段階的税率登録資本金500万バーツ以下かつ収入3000万バーツ以下
外国法人の支店20%タイ源泉所得に課税
BOI認可法人0%〜20%恩典対象期間は免税可

中小企業(SMEs)向け優遇税率(2025年)

課税所得(年間)税率
0〜300,000バーツ0%(免税)
300,001〜3,000,000バーツ15%
3,000,001バーツ超20%

法人税の計算式

課税所得 = 総収入 – 損金(認められた経費) – 損失繰越控除

法人税 = 課税所得 × 税率

認められる主な損金(経費)

種別内容
人件費給与、賞与、社会保険、福利厚生費など
減価償却建物(20年)、機械(5〜10年)など規定に従う
補足:
建物は実際の使用目的と構造により計算根拠が異なる
中古取得の場合は耐用年数の残存調整が必要
レンタル費事務所賃貸、機器リース費
水道光熱費・通信費会社事業に関連しているもの
交際費交際費は対外接待費に限り、支出額の50%まで、年間最大1,000,000バーツを上限として損金算入できる。社内接待や福利厚生費は別区分扱いとなる点は注意が必要。(要最新情報確認)
研究開発費認定があれば150%控除可能(条件あり)(要最新情報確認)

繰越損失控除

  • 税務上の赤字(純損失)は、5年間繰越控除可能(繰戻不可)
  • 利益が出た年度の課税所得から控除することで、税額を減らせる

納税・申告の方法

年2回の申告が必要となります。

申告種別時期内容
半期申告(PND.51)半期決算の2カ月後(12月決算は8月31日)利益予測による暫定納税(不足の場合、20%の罰金)
年次申告(PND.50)期末決算の150日後(12月決算は翌年5月28日、閏年は5月29日)正式な決算に基づく法人税の確定申告

会計期間が2024年1月~12月の法人は、年次申告を2025年5月末までに行う必要があります。

源泉徴収税制度(Withholding Tax)

法人間取引の一部は、支払時に源泉徴収が必要です。

所得区分税率備考
サービス料(国内)3%外注業務、会計業務など
賃貸料5%建物賃料、機器リース等
利子・配当10%配当の再分配時
国外送金5〜15%国外送金に対する源泉税は、日タイ租税条約により軽減される。配当(10%または0%)、ロイヤルティ(5%または8%)、利子(10%)など、取引内容に応じて適用税率が変動。

源泉徴収した税は、歳入庁に翌月7日までに納付

外国法人(日本企業)への課税

形態課税対象
タイ法人子会社世界所得のうち、タイ源泉分のみ
タイ支店タイで発生した所得すべて(法人税対象)
国外親会社への送金ロイヤルティ、利子、技術料などに源泉税が発生(税条約で調整可)

「日タイ租税条約」により、配当・利子・技術料の源泉税は軽減可能

特別優遇制度との関係(BOI・IEATなど)

BOIやIEAT(工業団地)等の認可を受けた法人は、以下のような恩典を受けられます:

区分内容
BOI法人税0〜13年免税、輸入関税免除、外資制限緩和など
IEAT工業団地内での法人税・輸出入関税税の軽減
Smart Visa + R&D控除技術・研究系法人に優遇(150〜200%の経費控除)

注意点・実務対応

項目内容
会計基準タイ会計基準(TFRS)またはSME基準に基づき決算
言語会計帳簿・税務書類はタイ語・タイバーツが原則(英語可でも翻訳添付必要)
年次監査登録監査法人による年次監査がすべての法人に義務付け
遅延罰則申告・納付遅延には利子1.5%/月+罰金最大2倍が課される

法人税に関する日本企業の注意点

  • 日本本社からの支払い(ロイヤルティ、技術指導料)に関して、Transfer Pricing(移転価格)は文書化義務あり
    補足:売上200百万バーツ以上または関連取引条件該当企業は TPDocumentation 提出義務あり。提出期限は年次申告と同時
  • 日本との二重課税防止条約を活用し、タイ側課税を相殺可能(外国税額控除)
  • 税務調査では名義貸しや過少資本企業に厳しい審査が入ることあり
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