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日本政府による日本語教育支援事業。その成果はタイ人教師の性格にも左右されそうです。

グーグル人事部の新入社員選考基準のひとつが、自分より優秀な人材を選ぶことだといいます。ただ、タイでは自身のポジションを脅かす人材を雇用することを好まないため、最初に妥協をして「とりあえず」で募集してしまうと、その会社では「とりあえず」のレベルがその後も続くことになるようです。

2020年までに現地の日本語教師・学習者を側面支援する日本人3000人をASEAN諸国に中期派遣するという「日本語パートナーズ派遣事業」。 2014年4月、国際交流基金内にアジアセンターが設立され、その目玉事業として立ち上がったプロジェクトです。

第1期としてタイには、14年9月から翌年3月まで20歳から69歳までの個性的な男女29人が派遣され、タイ全国21県の高校でタイ人日本語教師とペアを組み日本語の授業を行いました。

今は第5期の69人が2018年3月まで全国32県の高校 69 校で日本語の授業を行っています。

タイの高校の日本語学習者は約 11 万人。教育機関数・学習者数ともに年々増加しています。2010 年からタイ教育省では第二外国語教育に力を入れており、理数系も含めた全てのクラスで英語以外の第二外国語の履修が可能となりました。これが日本語履修者が増えた背景のひとつですが、そのため、日本語教師が不足し、十分な日本語教育を受けていない教師も日本語教師として教壇に立つことになりました。

それでも、日本人が来る前は、自身の天下でした。そこにネイティブが登場するわけですから、プライドを損ねる教師がいたとしても不思議はありません。実際、ある学校では日本人教師との関係がぎくしゃくしているといいます。

これからは派遣先の教師に対し気遣いができるかどうかも選考基準に入れた方がいいかもしれません。タイ人は一度関係を壊すと修復が非常に困難。忘れてほしくないことはよく忘れますが、忘れてほしいことはなかなか忘れてくれません。いずれにせよ、タイ人のプライドを傷つけない立ち振る舞いは、タイで仕事をする日本人にとって非常に大切といえそうです。

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