- バンコク首都圏ではコンドミニアムの在庫が積み上がっています
- 住宅ローン審査の厳格化が取引回復を妨げています
- 名義変更手数料の大幅引き下げで下支えを図っています
世界の主要都市では、住宅価格が所得や家賃を上回る水準まで上昇し、バブルへの警戒感が強まっています。一方で、タイの不動産市場は価格が急騰しているわけではないものの、取引が十分に回復しないまま在庫が増え続けています。
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コンドミニアム在庫が市場の重荷に
市場の足かせとなっているのが、分譲マンションであるコンドミニアムの在庫です。政府住宅銀行系の不動産情報センターによると、バンコク首都圏の新築コンドミニアム価格指数は2025年7〜9月に158.3となり、前期比で0.5%下がりました。販売の鈍化を受け、事業者は在庫処分を急いでおり、値引きや無償サービスなどを含めた販促は最大で価格の44.3%に達しています。このほか、名義変更時の譲渡手数料を無料にする動きも広がっています。
厳しい融資環境のなか政策による下支え
不動産市場回復の最大の障害とされているのが、住宅ローン審査の厳しさです。家計債務はGDP比で約89%と高い水準にあり、金融機関は慎重な姿勢を崩していません。所得が基準に届かないことや、既存の借入負担が重いことから、300万バーツ未満の物件では住宅ローンの否決率が約4割に上ります。これまで比較的堅調とみられていた700万バーツ超の物件についても、足元では減速の兆しが見え始めました。
こうした状況を受け、タイ政府は対策として、住宅価格が700万バーツ以下の物件を対象に、名義変更手数料を従来の2%から0.01%へ引き下げました。期限は2026年6月末までです。この政策効果により、不動産情報センターは2025年10〜12月の全国の所有権移転が前期比13.1%増えると予測しています。ただし、2025年通年では7.3%減少する見通しで、市場の先行きに対する不透明感は依然として残っています。
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