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短期商用ビザ免除を繰り返し利用した場合、タイ入国制限を受ける可能性があります。

スワンナプーム国際空港

タイ政府は2024年1月1日から2026年12月31日までの期間、タイにおけるビジネスや投資に便宜を図るため、商用目的でタイに入国して30日以内の滞在をする日本国籍者の短期商用ビザの取得を免除することを発表しています。

タイ大使館によれば、ここでいう商用目的には、「タイ側企業との会合・商談、タイの子会社・グループ会社・工場・取引先との会議、視察、タイ労働省が規定する短期緊急業務(対象は、技能者、技術者、監査担当、研修担当、公共・民間事業に携わる者など)が含まれる」とのことです。

以前は商用目的での訪タイする際には短期商用ビザ (ノンイミグラントビザ) を取得しなければなりませんでした。しかし24年1月からは以下の書類を用意することで短期商用ビザの取得が免除されています。

  • タイ側の会社(商談先も含む)からの招聘状 (Invitation letter)
  • 訪タイが必要であることを示す証明書(Certification letter)
  • 会合・商談予約書(Appointment letter)

その書類には、①会社の住所と連絡先②渡航者の氏名③入国目的④入国日⑤出国日⑥滞在期間―が明記されており、⑦社印・社判・角印のいずれかが捺印されていること⑧タイ商務省発行の会社登記簿謄本に名前が記載されている代表者(サイン権保有者)の署名、もしくは代表者(サイン権保有者)から委任を受けている者の署名が入っていることーが求められます。

これらの書類をタイ入国時、空港のイミグレ担当官へ提示するのですが、入国を許可するかどうかは担当官の判断次第となります。

短期商用ビザ免除者とノービザ観光客の入国スタンプは同じ

ところで、2025年1月の時点で、在東京タイ国大使館のホームページには。この商用ビザ免除でタイに入国した場合の滞在期間は30日間以内であることが明記されています。その一方で、在タイ日本国大使館のホームページでは、短期商用目的でのタイ滞在期間を60日間としています。

短期商用ビザ免除の扱いを幾分混乱している背景には、2024年7月15日より観光目的に限り、ビザを取得せずタイに入国した場合の滞在期間が30日間から60日間へと延長されたことがあります。さらに、観光促進のため、タイ国内で1回だけ30日間の延長ができることにしたため、日本を含む指定国の観光客はトータルで90日間のタイ滞在が可能となりました。

イミグレーションは当初、ノービザ観光客の入国スタンプは「ผ60」、短期商用ビザ免除者のスタンプは「ผ30ม17」とする予定でした。30と60は滞在日数、17は短期商用ビザ免除を規定した規則条項を示します。しかし、恐らく現場から煩雑すぎるとの不満が噴出したのでしょう。どちらも「ผ60ม17」のスタンプが押されることになり、短期商用ビザの滞在期間も60日になりました。そのため、パスポートを見ただけでは、ノービザ観光客なのか、短期商用ビザ免除者なのかを区別することはできず、そのため、結果として、短期商用ビザ免除者も30日の延長が可能となり、90日間の滞在ができることになったようです。

ただ、短期商用ビザ免除措置導入時、セーター首相(当時)は、タイ国内での延長は認めない、と明言しています。このため、日系企業関係者の中には「これ幸い」と短期商用ビザを取得することなく、ノービザでのタイ入国を繰り返すケースも出ていますが、いつイミグレーションが対応を厳しくするかは不明のため、商用でのノービザ入国を繰り返すことは危険です。60日以上タイに商用で滞在することが確実なケースや、ノービザでのタイ入国が複数に及ぶ場合などは短期商用ビザの取得を検討した方が無難です。判断がつきにくい場合はタイ国内のコンサル会社に相談するという方法もあります。

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