【タイの話題】自宅の屋根に太陽光パネル タイ政府から補助金 売電も可能に

タイでは今、家の屋根がちょっとした「発電所」に変わりつつあります。政府が太陽光パネルの設置に手厚い補助を出す計画を進めており、対象になるのは一般の家庭だからです。

背景にあるのはタイの電力事情です。タイは発電量の約60%を輸入天然ガスに頼っており、世界情勢が不安定になるたびに電気代が跳ね上がってきました。そこでタイ財務省は、4000億バーツ規模の緊急借入枠のうち2000億バット(日本円で約9800億円)を、天然ガスへの依存を減らす「エネルギー転換」に充てる方針です。この計画は内務省やエネルギー政策・計画局(EPPO)とも連携して進められています。

ここで中心となるのが屋根置き型太陽光パネルへの補助金です。1世帯あたり最大5万バーツ(約24万円)が支給される見込みで、対象は50万から100万世帯にのぼります。さらに、電気料金の支払い実績をもとに低金利ローンを組める仕組みも用意され、政府系銀行が担保なしで融資します。毎月2000バーツの電気代が浮けば、その半分をローン返済に回しても手元にお金が残る計算です。

余った電力は1キロワット時あたり2.2バーツで電力会社に売ることができ、夜間の電気代と相殺できます。加えて、2026年3月から2027年12月までに設置した世帯は、所得税から最大20万バーツ(約98万円)を控除できる制度も別途用意されています。

工事の質を確保するため、政府はメトロポリタン電力公社(MEA)と地方電力公社(PEA)を通じて施工業者や機器の認定制度も設け、8月から登録を始めました。

制度の詳細は9月にかけて固まる見通しですが、一部の野党議員からは「事前の実現可能性調査が不十分だ」との懸念も出ており、巨額の予算がきちんと家庭に届くのか注目されます。ただ、自宅の屋根で電気代を稼ぐという発想は、タイでこれから本格的に広がろうとしています。

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