パタヤにある、ごく普通の法律事務所と海沿いのコンドミニアム。ここが、外国人による土地の「隠れ保有」を暴く捜査の舞台になりました。タイでは外国人事業法という法律により、外国人が土地を単独で所有したり、一部事業で過半数の株式を持ったりすることが原則禁止されています。ところが、資金力のないタイ人の名前だけを借りて、実質的には外国人がオーナーとして支配する「ノミニー(名義貸し)」という手口が、観光地を中心に横行してきました。
2026年8月21日、タイの特別捜査局(DSI)は、内務省や警察と合同で、東部チョンブリ県パタヤ市内の3カ所を裁判所の令状に基づき捜索しました。対象には法律事務所「KTインターナショナル・ロー・アンド・ビジネス」や、バーングラームン地区のコンドミニアム「コージー・ビーチ・ビュー」が含まれます。捜査当局によると、この法律事務所の従業員が、外国人の実質的なオーナーに代わって株主として名前を貸していた疑いが浮上し、パソコンや書類が押収されました。
今回の捜索は単発の出来事ではありません。パンガン島やサムイ島、プーケットで進められてきた一連の調査で集まった証拠から、チョンブリ県の「コージー・ビーチ・ビュー社」に法律違反の疑いがあることをつきとめ、今回のパタヤ捜索につながりました。実際、今年7月にもチョンブリ県内41カ所で同様の捜索が行われ、ロシア人4人が拘束されています。こうした名義貸しの横行は、地価の上昇や地元経済への影響も懸念されており、タイ政府は今後も観光地を中心にノミニー対策を全国的に強化していく方針です。

