【タイの話題】地方公務員試験で組織的不正発覚 政治家一族にも捜査の手が

タイでは今、40万人近くが受験した地方公務員採用試験をめぐる不正が、大きな社会問題となっています。合格者の中に、点数が不自然に書き換えられた人が5925人も見つかったと聞いたら、驚く方も多いのではないでしょうか。タイ内務省は、この不正の背後に地方の有力な政治家一族が関わっている疑いがあるとして、捜査資料や金融取引の記録を国家汚職制圧委員会(NACC、日本の会計検査院と警察の機能を合わせたような独立の汚職監視機関)に送付したと発表しました。

事件の発端は、2025年末に実施された地方行政局(DLA、市町村など地方自治体の職員採用や管理を担う内務省の部局)の採用試験です。合格を確実にするため、35万バーツから80万バーツ(日本円で約170万円から380万円)もの謝礼を仲介業者に支払い、答案の点数を書き換えてもらっていた受験者がいたことが判明しました。45億バーツ(約216億円)の金銭が動いた、タイの公務員採用試験としては過去最大級の不正事件とされています。

内務省副大臣のウォーラシット氏によると、改定された合格者リストは今週中にも各県の委員会へ送付される見通しで、不正に採用された職員は8月31日までに全員解職される予定です。単にお金を払った受験者だけでなく、不正を仲介した業者や、その背後にいる有力政治家についても、例外なく法的責任を追及する方針が示されています。地方行政局(DLA)で代理局長を務めるニラット氏は、不正を行った者は誰であっても免責されず、公正に挑んだ受験者の権利を守ると強調しました。日本ではあまり想像しにくい規模の組織的不正ですが、タイ社会に根強く残る縁故主義や汚職体質を映し出す出来事として、今後の展開が注目されています。

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