8月7日、バンコク近郊のノンタブリ県バンクルアイ区にあるテーブシリ・ノンタブリ校で、銃乱射事件が発生しました。14歳の男子生徒(中等部2年、日本の中学2年に相当)が、自宅で祖父母を殺害したのち登校し、校内で発砲、教員5人と生徒2人が死亡、20人以上が負傷しました。祖父母を含めると死者は9人にのぼります。少年はその後、校内で自ら命を絶ちました。使用された拳銃はチェコ製の「CZ75」という9ミリ口径の自動拳銃で、祖父が公務員向けの割引購入制度(ウェルフェアガンと呼ばれる、公務員が正規の価格より安く銃を購入できる福利厚生制度)を通じて合法的に取得・所有していたものでした。
警察によると、少年は事件の1〜2年ほど前から交流サイトを通じて銃の扱い方を独学で学び始めていたとみられ、事件の約1週間前には海外の銃乱射事件の映像をパソコンにダウンロードして視聴していたことが確認されています。また、前年には教師によりエアガンを没収されたことがあり、当日はカバンの中からナイフも見つかっています。動機については現時点で明らかになっておらず、警察が慎重に捜査を続けています。
事件を受け、内務省地方行政局(DOPA)は全国の地方行政機関に対し、銃器の不法所持取り締まりの強化や検問・巡回の増加、学校周辺の警備強化を緊急指示しました。アヌティン首相兼内務相も、公務中の職員以外による銃の携行を一切認めない新法の検討を表明。違法な銃携行には即時逮捕で臨む方針を打ち出しています。
今回の悲劇は、東南アジアでも有数の銃保有国とされるタイ社会に大きな衝撃を与えており、ウェルフェアガン制度の管理体制や未成年者の銃器アクセス防止策の見直しを求める声が急速に高まっています。

