【タイの話題】道徳に反する外国人は即国外退去 統一ルールを明文化

タイ内閣は今年7月14日、不法滞在や犯罪に関わる外国人をこれまでより早く国外退去させるための新しい規則を、原則承認しました。今回とくに注目されているのは、対象となる理由の一つに「タイの道徳や社会規範にそぐわない行い」が含まれている点です。日本の感覚では「素行が悪い」というだけで国を追われるのは驚きですが、実際にこの背景には、今年5月にパタヤのビーチ沖で外国人カップルが行った性行為に地元住民や観光業界から苦情が相次いだ出来事があったとされています。

新しい規則では、不法入国やビザの期限切れ(オーバーステイ)、無許可での就労、違法なビジネス、書類偽造など、6つの分類に当てはまる外国人を退去の対象としています。

これまでタイには国外退去に関する統一した行政ルールがなく、複数の機関がその都度連携して対応していたため、手続きに時間がかかっていました。さらに現行の法律は数十年前に作られたもので、退去させる外国人を入国した経路で送り返し、その費用を航空会社などの運送業者が負担する決まりでしたが、長年不法滞在している人も多く、実際には機能しにくくなっていたといいます。今回はこうした課題を踏まえ、国が費用を負担して退去を進める仕組みも盛り込まれました。

今回の改正では、刑務所に収監されている外国人が釈放される前に、矯正局が内務省へ通知する仕組みも新たに設けられ、退去命令をスムーズに出せるようになります。規則案は現在、法案を審査する法制委員会事務局で最終確認が進められている段階で、まだ正式に施行されたわけではありません。

ただ、政治的な理由でタイに逃れてきた人への配慮が明記されておらず、タイが難民条約に加盟していないこともあり、人権面での懸念を指摘する声も出ています。真面目に暮らす外国人にとっては安心材料となりそうですが、運用の実際については今後も注視が必要です。

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