【タイの話題】企業泣かせ法律100超を電撃見直し

タイでは、企業活動の足かせとなっている法律や規制が100以上も存在すると指摘されています。この状況を打開しようと、法務担当のパコーン副首相が7月31日、抜本的な見直しに着手したことを明らかにしました。目的はシンプルで、企業の運営コストを下げ、国としての競争力を強化することです。実はこの動きは、政権発足時に掲げられた「ギロチン改革」と呼ばれる規制撤廃プログラムの延長線上にあり、不要な規制を思い切って切り捨てるという、タイらしい大胆な発想が根底にあります。

今回の見直し対象は、タイ工業連盟(FTI)やタイ商工会議所(TCC)が加盟する官民合同常設委員会(JSCCIB、政府と経済団体が定期的に協議する組織)からの要望を取りまとめたもので、大半はFTIとTCCから寄せられました。注目すべきは、そのスピード感です。タイ政府はこれまで数年がかりで包括的なマスタープランを作ってきましたが、それでは変化の速い状況に対応できないと判断。今回は民間側に問題のある条文と改正案を具体的に提示してもらい、優先度の高いものから1〜2か月というきわめて短い期間で改定を進める方針に転換しました。中でも事業コストの増加が指摘されてきた観光業や製造業の手続き簡素化が、重点的な対象となる見通しです。

一方でパコーン副首相自身も認めているのが、法改正だけでは不十分だという現実です。電気代をはじめとするエネルギー価格の高騰など、構造的なコスト高がそのままでは、法律を変えるだけでは期待するほどの経済成長率の回復にはつながらないとの見方も根強くあります。長年の課題である規制緩和が、今回こそ実を結ぶのか、そのスピードと実効性の両立が問われています。

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