タイでは2022年6月に大麻が麻薬リストから除外され、世界でも珍しく大麻が事実上自由化されました。その結果、街中には推定6000店以上ともいわれる大麻ショップが次々と誕生し、観光地から住宅街まで気軽に大麻製品が買える状態が続いてきました。日本では大麻の所持だけでも重い罪に問われるだけに、この状況は多くの日本人にとって驚きをもって受け止められました。ただ、実は解禁後もタイ政府は包括的な管理法を整備できておらず、娯楽目的での乱用や無許可店舗の増加といった問題がずっと放置されてきたのです。
しかしこの野放し状態に、ついに歯止めがかかろうとしています。タイ保健省の伝統医学局(DTAM)は、パブリックコメントの募集を終え、大麻の利用を医療目的に厳しく限定する新しい法案「大麻管理法」をまとめました。7月20日にパッタナ保健相へ提出しており、近く閣議に諮られる見通しです。
新法案では、保健相をトップとする全国大麻委員会を新設し、栽培から製造、輸出入、販売まですべての工程に3年更新の免許制度を導入します。さらに20歳未満や妊娠中・授乳中の女性への販売、寺院や学校、公園といった施設付近での営業を禁止し、広告や宣伝活動も一切認めない方針です。一方で、向精神作用のない根、茎、種子については免許の対象外とし、伝統医療での活用に配慮しています。
無許可での営業や違反行為には懲役・禁錮刑や高額な罰金が科される見通しで、急拡大した娯楽目的の大麻市場は大きな転換点を迎えそうです。今回の規制強化は、現政権党のタイ威信党が推進していた大麻解禁政策からの軌道修正ともいえ、今後の国会審議や実施状況が注目されます。
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