タイ南部の人気リゾート地、プーケット県・パンガー県・クラビ県で、外国人による違法な「ノミニー」を狙った大規模な一斉捜索が行われました。タイでは外国人が単独で土地を所有したり、一部業種で経営の過半数を握ったりすることが法律で制限されています。このため、タイ人の名前を借りて株主や経営者を装う「ノミニー」という手口が、こうした規制を抜け道として問題になっているのです。
今回の作戦には警察官など500人以上が投入され、76社を調査した結果、29社が違法なノミニー企業と確認されました。さらに48社についても外国人の出資比率がタイ人を上回っており、追加調査が必要とされています。対象となった土地は89区画、約49ライ(東京ドーム約1.7個分)で、評価額の合計は10億バーツ(現在のレートで約51億円)に上りました。逮捕状59件、捜索令状60件が発行され、タイ人27人、外国人21人の計48人が身柄を拘束されています。摘発対象の外国人の国籍はイスラエル、イギリス、ポーランド、フランス、南アフリカなど8カ国にわたります。
中でも注目されたのが、クラビ県の音楽関連会社のケースです。実質的なオーナーは南アフリカ人でしたが、タイ人の名義を借りて株主を装っており、協力した弁護士と会計士が、すでに亡くなった人の署名を登記書類に無断で使っていたことも分かりました。今回の取り締まりは、以前クラビ県で摘発されたノミニー事件の手法を参考に、近隣のパンガン島などへも拡大されてきた一連の流れの延長線上にあるとされ、当局は今後も観光地を中心に取り締まりを続ける方針です。

