バンコク中心部で列車がバスに激突、8人死亡の惨事

5月16日午後3時40分、バンコクの大動脈・アソークディンデーン通りのマッカサン駅近くの踏切で、コンテナを積んだ重量貨物列車が公共路線バスに真横から激突しました。バスは衝突の衝撃で即座に炎上し、約50メートルにわたって線路上を引きずられ、乗客は全員死亡。死者8人、負傷者32人(うち2人が重体)という大惨事となりました。

なぜバスが踏切の上で立ち往生していたのか——。渋滞でバスが線路上に停車し、そのせいで踏切の遮断機を降ろすことのできない状態になっていました。そして、これはこの踏切では決して珍しい光景ではありません。電車が停止して線路上から自動車やバイクが移動する待つことも日常化していました。さらにこの日は、電車運転士が覚醒剤を使用していたとされ、鉄道職員が警告のレッドフラッグを見逃し、ブレーキをかけていなかったようです。

この事故が日本人に与える衝撃は、被害の大きさだけではありません。事故現場の真上を、空港線「エアポートレールリンク」が走っています。高架の最新インフラと、地上の時代遅れな踏切管理が同じ空間に共存するバンコクの「二重構造」が、今回これほど残酷な形で露わになりました。専門家はタイの鉄道システムを「非常に時代遅れ」と指摘しており、今年1月には工事中のクレーンが列車に倒れ28人が死亡する事故も起きたばかりです。急速に近代化する都市の裏側で、インフラの安全管理は追いつけていません。

  • URLをコピーしました!
目次