タイの雨季入り、牛が「予言(?)」していた

5月15日、タイ気象局(TMD)から、「本日よりタイは正式に雨季に入りました」との発表がありました。——その4日前、バンコクでは古式ゆかしい儀式が執り行われています。「王室始耕祭」と呼ばれる農耕の祭りで、聖なる牛が水と草を選んだことが、今年の雨と豊作を予言するお告げとして受け取られていたのです。タイ気象局の発表が、その牛の予言を公式に”裏付けた”形となりました。

日本人には「雨季=旅行に行きたくない時期」というイメージがあるかもしれません。ところがタイ人にとっては逆です。40度を超える記録的な酷暑が数ヶ月続いた後に訪れるこの季節は、農家にとっては待望の恵みの雨であり、国民全体にとっては「命を脅かす暑さからの解放」を意味します。

といっても、手放しでは喜べません。TMDはすでに全国54の県に突発的洪水や激しい雷雨への警戒を呼びかけており、アンダマン海では波高2〜3mに達すると予報されています。今年の総降水量は平年比で約10%下回る見通しですが、8〜9月にかけては1〜2個の熱帯低気圧がタイに影響する可能性もあります。

社会全体が「熱中症対策」から「洪水・防水対策」へと切り替わる——これがタイの季節の変わり目。暑さ対策グッズが店頭から姿を消し、代わりに防水サンダルや折りたたみ傘が並ぶ光景は、タイならではの「季節の商戦」でもあります。

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