子供よりペット? タイでは「ペットの家族化」が急速に進んでいます。

飼い主はインスタントラーメンを食べても、ペットへの支出は惜しまない。タイで開催されるペット関連のイベントはどこも来場者が絶えません。

背景にあるのは「ペット・ヒューマニゼーション(Pet Humanization)」と呼ばれるトレンドです。ペットを家族の中心に据える「ペットリアーキー(petriarchy)」という考え方が広がり、ペットをSNSで発信する「ペット・セレブ」文化も台頭しています。飼い主1人あたりの年間ペット関連支出は平均約5万500バーツ(約20万円)に達し、前年比23%増となっています。

市場規模も急拡大しています。タイのペット産業全体の市場価値は2025年に920億バーツ(約3,700億円)に達し、2026年には1,000億バーツを超えると予測されています。タイはすでに世界第2位のペットフード輸出国でもあります。

この現象の根底にあるのは、深刻な少子化です。2025年第1四半期、タイの出生数は10万人を下回った一方、死亡数は14万7,000人を超えました。子供を持たない選択をするカップルや独身者が増える中、「家族計画」の中心にペットを据えるライフスタイルが定着してきています。

若い世代が「自分とペットの生活の質」を最優先するライフスタイルの変化と、高齢化社会の進展が重なり、ペット市場の成長を後押ししています。ペット同伴で入れるカフェ、ペット専用ルームのあるホテル、コンドミニアムのペット専用エレベーター——人間の家族のために整えられてきたインフラが、今やペットのために作られていく時代に入りました。

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