体感50℃超の熱波がクラビのサンゴを白くしています

タイ南部の絶景スポット、クラビのアオナン沖。エメラルドの海の底では今、異変が静かに広がっています。といいますのは、4月26日に行われた水中調査で、生きたサンゴの約20%に色が薄くなる「白化の兆し」が確認されました。パボナサボテンサンゴ1コロニーはすでに完全に白化し、エリア全体ではおよそ30%がすでに死滅している状態です。

白化が起きる仕組みはこうです。水温が一定以上に上がると、サンゴの組織内に共生する藻類(ゾオキサンセラ)が体外へ追い出されてしまいます。色素の源を失ったサンゴは白く変わり果て、栄養補給ができなくなって弱っていくのです。今回の調査地点では水温が32℃に達していました。専門家によれば、30.5℃を超えた状態が2〜3週間続くだけで白化が始まるといいます。

この背景にあるのが、2026年の記録的な熱波です。タイ政府の公式発表によれば、4〜5月のヒートインデックス(体感温度)は52℃超の「極めて危険」レベルに達すると警告されており、バンコクでは58.7℃という数値も観測されました。「タイはいつも暑い」というイメージを持つ日本人には驚きかもしれませんが、地元のタイ人ですら「1時間の外出が命取りになる」と恐れる異常事態なのです。

国立公園当局はコーポーダ島のアオプーヤ付近に境界ブイを設置し、海中から約25kgのゴミを回収するなど応急対応を行っていますが、海水温が32℃前後で推移し続ける限り、状況はさらに悪化するおそれがあるとして、引き続き厳重な監視を続けています。

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