2022年、タイはアジアで初めて大麻を麻薬リストから除外し、瞬く間に国中に大麻ショップが乱立しました。あの熱狂から4年——今度はその逆回転が始まっています。
タイ保健省は4月初旬、全国に約1万1000店ある大麻ショップを医療クリニックへ転換する方針を正式に発表しました。今後3年以内に免許を更新する際には、クリニックとしての基準を満たさなければ営業継続が認められません。保健相は「大麻を医療目的に使用する完全な移行フェーズに入った」と明言しています。
ただ、転換のハードルは決して低くありません。新ルールでは、医師やタイ伝統医療の資格保持者など認定を受けた専門家の常駐が義務づけられます。すでに最盛期の1万8000店から現在は約15%の3000店程度にまで激減しており、クリニック転換を実現できる事業者はさらに絞られる見通しです。
そもそもこの混乱の発端は、2022年の解禁が見切り発車だったことにあります。大麻経済化は当時の与党・タイ威信党の看板政策でしたが、包括的な法整備が伴わないまま店舗だけが急増し、規制の空白地帯が広がりました。観光客がオープンカフェで大麻を楽しむ光景は世界的な話題となりましたが、その時代はいよいよ終幕を迎えつつあります。
「解禁→大混乱→医療化」という振れ幅の大きさはタイらしいダイナミズムとも言えます。街角の大麻ショップが「クリニック」に看板を掛け替える日が、もうそこまで来ています。

