今年の夏、日本では猛暑が続いていました。日本の環境省では熱中症予防情報サイト(https://www.wbgt.env.go.jp/alert_record.php)を通じて「熱中症警戒アラート」を発表していますが、一時期、その発出対象は連日30都県を超えていたようです。なお、熱中症警戒アラートは、気温の高さが高齢者や乳幼児など熱中症にかかりやすい人に危険な影響を与える恐れがあるときに発表されるものです。
さて、熱中症ですが、汗をかくことで、体内の水分や塩分が減ったり、血液の流れが滞ったりすることで体温が異常に上昇し、重要な臓器がダメージを負うことで発症します。症状としては、めまい、立ちくらみ、頭痛、意識消失、けいれん、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、便秘、筋肉痛、麻痺、こむら返りなど様々。子どもや高齢者が重症化しやすいといいます。
熱中症の3~4割は室内環境が原因とのことです

私は30年ほど熱帯のタイに住んでおりますが、その間、熱中症になったことは一度もありませんでした。3月、4月のタイは、昼は40度前後となり、夜は連日熱帯夜です。ところが、私は大のエアコン嫌い。さらに、寝ている時に扇風機の風が身体にあたると風邪をひくことが多いため、就寝時はエアコンなし、扇風機なし、そして、PM2.5対策で窓も締め切って寝ています。当然、起きた時は汗びっしょり。それでも、寝つきはすこぶるよく、夜中に目の覚めることはないため、「俺は暑さに異常に強い」と勝手に思っていました。
ところが今年の4月某日、ベッドから起き上がろうとしたところ、激しい吐き気が襲ってきました。頭がくらくらして立ち上がることができない。目の前が少し暗くなり、呼吸困難に陥りました。大量の汗が止まらず、頭痛も酷い。前述した熱中症の症状そのものです。
もっとも、この時点では、熱中症になっているという自覚はありません。ただ、これ以上、寝具を濡らしたくなかったので、這うようにしてシャワー室に入り、床に座り込んだまま、水シャワーを浴びました。結果的にはこの措置が幸いしたようで、呼吸困難は収まり、何とかゆっくりとなら歩けるようになりました。
頭痛が治まったところで、一応、熱中症を検索したところ、「室内熱中症」の文字と説明文が目に飛び込んできました。
熱中症というと、日ざしのある屋外で発生するイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、室内にいても、条件によっては熱中症になることがあります
知らなかった
また、注意点として以下の3点が挙がっていました。
- 室温や湿度の高さ、風通しの悪さ
- 乳幼児や高齢者、体調不良
- 長時間の作業、水分補給できない状況
まず、「室温や湿度の高さ、風通しの悪さ」ですが、私の部屋は三拍子そろっています。そして「乳幼児や高齢者、体調不良」。年齢は60歳、立派な高齢者です。仕事が立て込んでおり体調はそれほどよくありませんでした。「長時間の作業、水分補給できない状況」。私は水を飲むのがあまり好きでなく、よく奥さんから怒られます。
ちなみに日本の総務省消防庁によれば、2017年から19年にかけての熱中症発生場所ですが、3~4割が敷地内全ての場所を含む住居であり、室内での発生例が増えているそうです。そのため、夜間にエアコンをかけないことで屋外の気温が下がっても室温の温度は高いままとなり、そのため、熱中症を引き起こすとのことです。
熱中症の対処法 手のひら冷却が有効だそうです
せっかくネット検索したので、ついでに治療法も調べてみました。これは、当たり前といえば当たり前のことですが、それでも役に立つ情報もかなりありました。
❶身体を冷やす
首、両脇、鼠径部などの太い血管がある場所を冷やす。このほか、手のひら冷却も勧めていました。これは、洗面器に10~15℃の冷たい水を張り、5~10分間両手をつけるというものです。手のひらには、動脈と静脈を結ぶ血管の部位があり、直径が毛細血管の10倍近くあることから、冷却効率が高いとのことです。
なお、屋外での仕事やスポーツなど熱中症リスクが高いと思われる場合は、手を水に浸けたり、ペットボトルで手を冷やすと体温上昇を抑えることができ、熱中症予防に有効だそうです。
❷水分を補給する
脱水時の経口補水液を飲む量の目安は、高齢者は500~1000ml/日が目安とのことでした。
ちなみに、このすべてを試したみたところ、熱中症の症状は1時間程度ですべて消えました。