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可愛いからといって子犬や子猫をなでる時は噛まれないように注意してください。

日本では現在、狂犬病に感染することはありませんが、タイでは狂犬病ウイルスを持った犬はまだおり、死者も出ていますので、注意が必要です。

症状は?

犬に噛まれるなどして、狂犬病ウイルスが体内に入ることで感染します。通常1、2カ月の潜伏期間を経て、発熱、頭痛、嘔吐などの症状があり、その後、水や風を怖がるようになります。最後は全身けいれんや呼吸困難などを起こして死に至ります。発症した場合の致死率はほぼ100%です

ところで「ほぼ」というのは過去に米国でわずか数人が発症後に医療チームの特別治療で助かったためです。そのため、一般には発症したら間違いなく死ぬことになります。ちなみに、最も死亡率の高い病気として、ギネスブックにも登録されています。

また、感染者の最期の苦しみようは尋常でないそうです。

原因は?

狂犬病ウィルスを持った動物に噛まれることで感染します。タイでは犬とネコが感染源となっています。海外では、牛、コウモリ、アライグマなどから感染することもありますが、タイではまだ報告されていません。

狂犬病に感染した犬というと、よだれをたらし、低く唸っているイメージがありますが、実際に感染するパターンは飼われている子犬と遊んでいて指を噛まれ、感染するというケースが多いそうです。なかには、子犬に傷口を舐められて感染した人もいます。狂犬病のウィルスは唾液の中にいるため、舐められただけでも感染するので注意してください。実際、ガブっという感じで噛まれた感染者はタイでは約4割にとどまるともいわれています。

犬に比べ、ネコからの感染例は少ないですが、交通事故に遭ったネコを助けようとして指を噛まれ感染した気の毒な男性もいます。

治療方法は?

狂犬病ウィルスは非常に弱いため、咬まれた部分を薬用石鹸でよく洗い、消毒液で消毒することで感染確率をかなり減らすことができます。間違ってもすぐにバンドエイドを貼ったりしないでください。このウィルスは空気を嫌うので、傷口はできるだけ空気に触れるようにしましょう。

そして、すぐに病院で狂犬病予防ワクチンを接種してください。「5日以内に接種すること」という医師もいますが、タイでは噛まれてから2日で死亡した子どもがいます。この子は小さい野良犬と遊んでいて、顔を深く噛まれてしまいました。狂犬病ウィルスは神経を伝わって脳まで移動し、到達後、症状が現れます。そのため、脳に近い部分を噛まれた場合には、状況はなかり深刻になります。1分1秒でも早く病院に駆け込むことが必要です。

タイでは年間、約40万人の人が犬やネコに噛まれて、ワクチンを接種しています。ワクチンの接種ですが、タイでは当日、3日後、7日後、14日後、30日後の5回が一般的です。日本の場合は、さらに、90日後にも接種しますが、これは、ワクチンの種類と1回の接種量によりますので、医師の指示に従いましょう。

なお、潜伏期間ですが、タイ保健省が確認している最長期間は2年です。

予防手段は?

とにかく、犬やネコに触らないことです。野良の場合には最初から警戒するでしょうが、注意しなければいけないのが飼い犬。これまでのタイでの統計では「友人からもらった子犬」から感染するパターンが多いようです。

特に生後3カ月未満の子犬はワクチン接種を済ましていないことが多いため、要注意です。

動物好きな子どもを持つご両親は常に子どもの手に傷がないかどうかを確かめるようにした方がいいかもしれません。また、日ごろから犬に傷口を舐められたらすぐに知らせるよう言い聞かせておいてください。

ここに注意!

タイ保健省によりますと、狂犬病で死亡した人は、そのすべてが、ワクチンを接種しなかったか、もしくは途中で止めてしまったかのどちらかだそうです。つまり、5回きちんと接種した人で死亡した人はまだ報告されていません

ところで、狂犬病に感染した犬ですが、すべてが凶暴になるわけでなく、うつ状態でおとなしい症状の犬もいるそうです。そのため、「あの犬はおとなしかったから、狂犬病ではない」と考えるのは間違いですので、ご注意を。

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