タイへの出張や視察で機内持ち込み手荷物が7kgを少し超えてしまい、預け荷物のカウンターに並ぶかどうか迷った経験がある人がいるのではないでしょうか。実は一部の航空会社では、追加料金を払うことで機内に持ち込める重さそのものを増やせるサービスがあります。ただし対応している会社はごく一部で、しかも購入できる期限や重量上限は会社ごとに異なります。ここでは2026年8月20日時点の各社公式情報をもとに、日本・タイ直行便を運航する主要8社について、機内持ち込み手荷物の重量を追加購入できるかどうかを整理しました。荷造りの前に、自分が利用する便がどちらのタイプかを確認しておくと安心です。
手荷物重量を追加購入できるのは3社のみ
日本・タイ路線(直行便)を運航する8社のうち、機内持ち込み手荷物の重量を有料で増やせるのはZIPAIR、タイ・エアアジアおよびタイ・エアアジアX、タイ・ベトジェットエアの3社です。残る日本航空、全日本空輸、ピーチ・アビエーション、タイ国際航空、タイ・ライオン・エアの5社には、機内持ち込み重量そのものを買い足す制度がありません。これらの会社で7kgを超えてしまった場合は、追加料金を払って受託手荷物としてチェックイン時に預けるのが基本の流れになります。「追加料金」を支払うにしても、機内に持ち込める重さが増えるのか、それとも預け荷物に回されるのかは大きな違いです。予約前にどちらのタイプの会社かを把握しておくと、空港で慌てないですみます。
ZIPAIRは15kgまで有料で増量できる
成田とバンコクを結ぶZIPAIRは、通常の機内持ち込みが2個合計7kgまで無料です。荷物棚に収納するキャビンバッグは55センチ40センチ×25センチ以内、前の座先の下に収納する小型バッグは45センチ×35センチ×25センチ以内となっています。ここで、7kgを超える場合は、追加料金を払うことで2個合計15kgまで機内に持ち込むことができます。料金は成田発バンコク行きが3000円、バンコク発成田行きが760バーツです。この追加購入には期限があり、出発の24時間前までにウェブサイトまたは予約管理画面から手続きを済ませる必要があります。24時間を過ぎてから、もしくは、出発当日に空港カウンターで追加購入することはできません。コンタクトセンター経由で購入すると、料金とは別に事務手数料としておよそ1000円がかかるため、ウェブでの事前購入が最も安く済みます。ただ、15kgを少しでも超えると、その荷物は受託手荷物として別途預ける必要がある点に注意してください。さらに、受託手荷物の受付は出発1時間前までであり、空港での支払い方法はカードもしくはQRコードで現金は使えません。そのため、重量は自宅でしっかりと測っておくと安心です。
タイ・エアアジアは14kgまで有料で増量できる
タイ・エアアジアおよびタイ・エアアジアXは、通常の機内持ち込みが2個合計7kgまでです。キャビンバッグは56センチ×36センチ×23センチ以内、小型バッグは40センチ×30センチ×10センチ以内というサイズ規定があります。7kgを超えそうな場合は、Xtra Carry-Onという有料オプションを予約時またはその後の予約管理画面から購入することで、2個合計14kgまで持ち込めるようになります。ただし1個あたりの重量が最大10kgまでという上限がある点には注意してください。料金は路線や購入時期、支払通貨によって変動し、日本発の便ではおおむね1500円から2500円程度、タイ発の便ではおよそ500バーツ前後が目安とされています。ここは確認が必要な点ですが、公式の料金表では固定額に近い数字が示される一方、実際の予約画面では時期や便によって表示額が上下するとの報告も多いため、最終的には予約直前の画面で金額を確認することになります。優先搭乗などのサービスも含めたFast Passという上位パッケージも用意されていますが、単純に重量だけを増やしたい場合はXtra Carry-Onで十分です。

タイ・ベトジェットエアの増量は10kgまで
タイ・ベトジェットエアの機内持ち込みは通常7㎏までですが、Extra Carry-Onという有料オプションを購入することで上限が10㎏に引き上げられます。料金は国際線で飛行時間が4時間を超える区間が450バーツになります。キャビンバッグが56センチ×36センチ×23センチ以内で上限7㎏、前の座席下に完全収納できるサイズの小型バッグが上限3㎏で、合計で10kgの手荷物が持ち込めることになります。購入期限は原則として出発の48時間前までとされています。空港カウンターでも購入できる場合がありますが、事前購入より割高になりやすいため、荷物の重さがあらかじめ分かっているなら予約時にまとめて追加しておくのが賢明です。
日本航空・全日本空輸・ピーチは対象外
日本航空と全日本空輸は、いずれも機内持ち込み手荷物1個と身の回り品1個の合計2個までで、重さは合計10kg以内と定められています。サイズは3辺の和が115センチ以内、目安として55センチ×40センチ×25センチ以内です。この10kgという枠を有料で増やす制度は、両社の公式サイトや運送約款を確認する限り見当たりません。ピーチ・アビエーションも同様で、身の回り品を含めて2個、合計7kg以内という規定に対し、重量を買い足すオプションは提供されていません。これらの会社で規定を超える荷物がある場合は、あらかじめ受託手荷物を予約するか、超過分を空港で受託手荷物として預ける必要があります。特に出張帰りに資料やお土産が増えやすい人は、行きの段階で余裕を持たせた運賃タイプを選んでおくほうが結果的に安く済むことが多いです。
タイ国際航空とタイ・ライオン・エアも購入不可
タイ国際航空の機内持ち込みは、メインの手荷物1個が最大7kg、サイズは56センチ×45センチ×25センチ以内が基準です。これとは別に、預け荷物の超過分を事前購入できるPrepaid Excess Baggageという制度がありますが、これはあくまで受託手荷物側のサービスであり、機内に持ち込める7kgという枠そのものを増やすものではありません。
タイ・ライオン・エアも運賃タイプにかかわらず機内持ち込みは7kgが基本で、こちらも重量を買い足すオプションは確認できませんでした。なお、タイ国際航空は2026年3月2日搭乗分から国際線の受託手荷物について、重量制から個数制へと制度を切り替えています。この変更は預け荷物に関するものであり、機内持ち込みの規定には直接影響しませんが、預け荷物を利用する予定がある人は下のURLを参照してください。
重量を超過したらどうなるのか?
追加購入の制度がない会社で機内持ち込みの重量を超えてしまった場合、多くはチェックインカウンターや搭乗口で発見され、その場で受託手荷物として預ける扱いになります。この場合の料金は、あらかじめ受託手荷物を予約していた場合に比べて割高になるのが一般的です。免税店や土産物店で購入した袋も、多くの会社では手荷物の個数や重量に含まれる点も見落としやすいポイントです。すでに規定いっぱいの2個を持っている状態で紙袋を追加すると、3個目として扱われる可能性があります。保安検査を通過したあとの買い物も油断せず、帰りの便では特に荷物の重さをこまめに確認する習慣をつけておくとよいでしょう。
購入は前日までに、当日空港は基本的にNG
重量を追加購入できる3社に共通するのは、当日空港での申し込みが原則できない、または割高になるという点です。ZIPAIRは出発24時間前まで、タイ・ベトジェットエアは出発48時間前までがオンライン購入の期限とされています。タイ・エアアジアも予約時の購入が最も安く、予約後やキオスクでの購入は高くなります。
フライトの変更を行った場合、購入済みの追加オプションが新しい便に自動的に引き継がれない、または再購入が必要になるケースもあるため、日程変更の可能性がある出張では余裕を持った判断が必要です。荷物の重さは自宅や宿泊先で前日までに実際に量っておき、必要であれば出発当日を待たずに手続きを済ませておくことをおすすめします。
液体物や電子機器の持ち込み制限も忘れずに
重量の話とは別に、機内持ち込み手荷物には液体物のルールがあります。国際線の保安検査では、液体は1容器あたり100ミリリットル以下とし、合計容量1リットル以内(縦20センチ×横20センチ程度)のジッパー付き透明プラスチック袋にまとめて入れる必要があります。ここでいう液体には、シャンプー、液体ソープ、スプレーのほか、ジェル、歯磨き粉、ヘアクリームなどクリーム状のモノも入ります。このほか、缶詰、瓶詰め、ヨーグルト、ゼリー、味噌、漬物も対象となりますので注意してください。
モバイルバッテリーや予備のリチウム電池、電子タバコについては、多くの会社で受託手荷物に入れることを禁止しており、必ず機内持ち込み手荷物に入れるよう案内されています。パスポートや現金、貴金属、薬、パソコン、カメラといった貴重品や壊れやすい品も、受託手荷物に入れず機内に持ち込んでください。

