【タイ出張】出張・視察前に必ず確認したいタイ電源事情(26年7月更新)

タイへ出張や旅行に行く前に、意外と見落としがちなのが「現地の電源事情」です。スマートフォンやノートパソコンの充電は、出張には欠かせない作業ですが、日本の電化製品をそのままタイに持っていくと、コンセントの形やコンセントの電圧が日本と違うため、思わぬトラブルが起きることがあります。

日本人がよく訪れるバンコクやチェンマイ、プーケットといった都市には近代的なホテルやオフィスビルが建ち並んでいますが、電気設備の仕様は日本とは異なります。タイへ初めて出張する人は、出発前にしっかり確認しておくことで、現地での余計なトラブルを避けることができます。

目次

プラグの形は日本とどう違う?

日本で一般的に使われているプラグは、平らな金属の板が2本横に並んだ「Aタイプ」です。一方、タイのコンセントは、1つの差し込み口でいくつもの形のプラグを受け入れられる「複合型(ユニバーサルタイプ)」が主流です。

タイで主に使われている規格は次の3種類です。

  • 日本と共通の「Aタイプ」
  • ヨーロッパでよく使われる丸型2本ピンの「Cタイプ」
  • イギリスでよく使われる四角い3本ピンの「BFタイプ」

これらが1つのコンセントでまとめて使えるのは、タイが長年にわたって世界中のビジネスパーソンや旅行者を受け入れてきた背景があるためです。

さらに現在、タイ政府とタイ産業標準規格協会(TISI/タイ国内の工業製品の安全基準を管理する政府機関)は、安全性を高める目的で、丸ピンが3本ある「Oタイプ(正式名称はTIS 166-2549)」を国の正式な標準規格として定めています。新しく建てられた建物や最新の電気設備を中心に、このOタイプへの切り替えが少しずつ進んでいます。

ホテルの壁にある複合型コンセントの多くは、従来のAタイプやCタイプに加えて、このOタイプにも対応しています。そのため、日本のAタイプのプラグであれば、変換プラグを使わなくてもそのまま差し込めることがほとんどです。

ただし注意点もあります。築年数の古い建物や地方のホテルでは、Cタイプ専用の丸い穴しかないコンセントが今も残っていることがあります。また、部屋によってはコンセントの数が少なく、複数の機器を同時に充電できません。そのため、ビジネス出張で確実に電気を確保したい場合は、AタイプからCタイプまたはOタイプに変換できる「マルチアダプター」を1つ持っていくことをおすすめします。コンパクトなものを選べば、荷物の負担にもなりません。

電圧の違いが引き起こす危険

プラグがうまく差し込めたとしても、それだけで安心してはいけません。次に確認すべき最も重要なポイントは「電圧」の違いです。

日本の家庭用コンセントは100ボルトですが、タイは220ボルトと、日本のおよそ2.2倍の電圧が流れています。

100ボルト専用として作られた日本の電化製品を、そのまま220ボルトの電源につないでしまうと、想定を超える電流が流れ、内部の回路が一瞬で焼き切れてしまいます。最悪の場合、火花や煙が出たり、部屋のブレーカーが落ちたりすることもあります。火事につながる危険性も否定できないため、電圧の確認は絶対に省略してはいけない手順です。

なお、電気の周波数は、タイが50Hzであるのに対し、日本は東日本が50Hz、西日本が60Hzです。ただ、現代の多くのデジタル機器は50Hzと60Hzの両方に対応しているため、周波数の違いによるトラブルは基本的に起きません。危険なのは、あくまで「電圧」の違いです。

電圧に対応しているかどうかの確認方法

充電器やACアダプターの表面には、必ず仕様が書かれています。そこに「INPUT:100-240V」と記載されていれば、その製品は100ボルトから240ボルトまでの幅広い電圧に自動で対応できる「ユニバーサル仕様」です。タイの220ボルトもこの範囲に収まるため、変圧器を使わなくてもそのまま充電できます。ノートパソコン、スマートフォン、タブレット、デジタルカメラなど、現代の主要なビジネス機器のアダプターの多くは、この仕様に対応しています。

仕様の表示は文字がとても小さいので、スマートフォンのカメラで拡大しながら確認するのが確実です。出発前にこの確認をひと通り済ませておくだけで、現地でのトラブルはほぼ防げます。

特に注意が必要な機器

一方で、ヘアドライヤーやヘアアイロン、電気シェーバー、電動歯ブラシといった美容・身だしなみ用の機器には、「INPUT:100V」や「定格電圧100V」としか書かれていない、日本国内専用の製品が多くあります。こうした製品をタイで使うには、220ボルトを100ボルトまで下げる「変圧器」を経由させる必要があります

ただし、ヘアドライヤーやヘアアイロンは熱を発生させるために消費する電力がとても大きく、それに対応できる変圧器は容量が大きい分、重くて値段も高くなります。旅行用の小型変圧器では容量が足りず、変圧器自体が壊れてしまうこともあるため注意が必要です。

実用面と安全面の両方を考えると、ホテルに備え付けられているドライヤーを使うか、100ボルトと220ボルトの両方に対応した旅行用の機器を購入して持っていくかの二択になります。最近は、本体のスイッチで電圧を切り替えられる旅行用のドライヤーやヘアアイロンも、手頃な価格で購入できるようになっています。

万一トラブルが起きたときの対処法

タイ滞在中、プラグを差し込んだ瞬間に火花が出たり、電気が通らなくなったりした場合は、慌てずにホテルのフロントや建物の管理室へ連絡してください。タイは電圧が高いため、一時的に負荷がかかってブレーカーが作動し、電源が遮断されることはよくあるトラブルです。焦って電化製品に自分で触れず、まず電源を切ってから係員の指示を待つことが大切です。無理に自分で対処しようとすると、感電やさらなる故障につながる恐れがあります。

また、タイのオフィスビルや商業施設のなかには、日本ほど電気の供給が安定していない場所もあります。特に雨季(5月頃から10月頃)は落雷が多く、停電の際にコンセントへ瞬間的に高い電圧がかかる「サージ電流(落雷や停電のときに瞬間的に流れる異常に高い電流)」が発生することがあり、これは精密機器にとっての「天敵」となります。重要なデータを扱うパソコンを守るためには、サージ保護機能が付いた電源タップを使うことを検討するとよいでしょう。こうした製品は、バンコクの大型ショッピングモールや家電量販店で現地調達することも可能です。

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