タイ商務省傘下の事業開発局(DBD)は4月15日、2025年12月31日を決算日とする法人に対し、財務諸表をオンライン申告システム「DBD e-Filing」で6月2日までに提出するよう改めて呼びかけました。例年の期限は5月31日ですが、今年はその日が休日に当たるため、2営業日繰り下げて6月2日が最終期限となります。
対象となる法人は幅広く、株式会社や上場企業のほか、商工会議所、業界団体、登録パートナーシップ、合弁事業、外国法人も含まれます。株主総会による財務諸表の承認は4月30日までに済ませたうえで提出する必要があります。タイの会社法では、決算後120日以内に株主総会を、150日以内に当局への提出を完了するよう義務付けており、12月決算法人はこの時期が毎年の山場になります。
DBDによると、提出義務を負う法人はおよそ90万7151社に上りますが、発表時点で提出が完了していたのは10万4369社と、全体の約12%にとどまっています。提出を怠れば法人の信用低下を招くだけでなく、3期連続で未提出の場合は休眠法人として登録抹消の対象になる場合もあります。実際にDBDは2025年9月、財務報告を3年連続で提出しなかったバンコクの法人7032社の登録抹消を発表しており、こうした措置は今後も続く見通しです。
早めの申告を勧める理由として当局は、期限直前のシステム混雑を回避できること、書類に不備があっても修正時間を確保しやすいことを挙げています。電子申告は企業側の事務コストや紙の保管負担を軽減するほか、政府が最新データをもとに業況を分析しやすくなる利点もあります。
タイでは行政のデジタル化が急速に進んでおり、7月1日からは複数の政府機関に対する紙ベースでの法人情報提出を段階的に削減する方針が打ち出されています。財務諸表の適時提出は、金融機関や取引先、投資家が企業の健全性を判断する前提でもあります。
日系企業にとっては、会計監査・株主総会・税務申告の日程を本社と早めに調整し、現地法人のコンプライアンスを確実に守ることが重要です。特に日本本社の承認手続きに時間がかかる企業や、会計・法務を外部委託している企業では、総会招集、監査報告、提出権限の確認が遅れると実務が一気に詰まります。期限内の対応は、タイでの法人維持に直結する手続きです。早めの準備が欠かせません。



